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安納芋について

種子島の代表的なお芋としてあげられるのが、「安納芋」と「紫芋」(種子島ゴールド)になります。安納芋も「安納紅芋」と「安納こがね」(安納もみじ)の大きくわけて2つの品種があります。
もともと、太平洋に面した東側の安納地区で栽培されていたものを安納芋と呼んでいました。西之表市石堂にある鹿児島県農業試験場熊毛支場において系統選抜という方法で改良されたものを改めて「安納」の名前を冠して平成10年に命名されました。(原種は古くから島中に存在)平成25年まで種子島地区にのみ限定許諾されています。
本場、種子島の安納芋が美味しいのは、種子島の気候、風土が大きく関わっています。 種子島は九州の最南端、鹿児島県佐多岬から南へ約40kmの位置にあり、東は太平洋、西は東シナ海に挟まれ、年間を通しての平均気温は19℃と非常に温暖な気候です。また畑には西からの海風によってミネラル豊富な土壌が作られます。
安納芋は10℃以下になると寒害を受け、腐敗の原因になります。しかし種子島は冬でも平均気温が12℃前後と温暖なため、12月頃まで収穫ができます。安納芋はもともと他のさつま芋と比べてデンプンの量が多いのですが、長く畑に置くことによって、さらにたくさんのデンプンを貯えることができます。それから、掘ったお芋を12℃~15℃の場所に1ヵ月以上置いて熟成させます。そうすると、βアミラーゼという酵素が活性化し、デンプンを糖に変えます。つまり、安納芋はデンプンの量が多く、βアミラーゼの活性が高いので、普通のさつまいもよりも甘いのです。
安納芋をおいしく食べるためには、じっくりと加熱することが大切です。電子レンジのような短時間の加熱では、せっかくの甘味、風味が損なわれてしまいます。蒸し器やオーブンなどでゆっくり時間をかけて加熱すると、とても甘く、なめらかでおいしいお芋になります。糖度の割にカロリーは低く、加熱後、冷蔵庫に保存し、アイスクリーム感覚でも楽しめます。
保存方法としては、気温が13~15度の風通しのよい場所に保管して下さい。低温の中に長時間置くと傷みがはやくなります。長期間保存する場合は、新聞紙などにくるみ、なるべく13度以上の場所で保存するようにしてください。寒さに非常に弱いので冬場は戸外に置かないようにしてください。冷蔵庫での保管は厳禁です。長期間の保存方法としては、焼き芋にしてラップなどに包んで冷凍しておくのも良いでしょう。

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